2012年10月3日水曜日

最近見た日本映画など

今年度に入ってから、
仕事で、古いハリウッド映画から、ヌーヴェルバーグ、
90年代の映画までDVDを借りたり、買ったりして見直している。
主にMacbook Proのデスクトップで再生して、
音声はヘッドホンでの視聴になるので、映画館で見たくなる。

今は、映画館で見るのは、月に1,2本くらいだが、
映画館で映画を観る、というのは、やはり楽しい。
最近観た中で、印象に残っている作品をメモ。
(ネタバレになるかもしれないところについては割愛。)

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桐島、部活やめるってよ監督: 吉田 大八

朝井リョウの小説は、すばる新人賞受賞とのことを聴いて
読んでいたのだが、登場人物で章立てして、
一つの挿話を複数の視点で描くこと自体にはあまり驚きもなく、
まぁ、面白かったな、くらいだった。

映画は、限られた場所・時間を複数の視点から同じ出来事を描く
ある意味で黒澤明監督の『羅生門』的な手法
(芥川龍之介『藪の中』と書くべきか…)ではあるのだが、
回想というよりは、マルチアングルではないが、
同じ時間を違う視点で見る、という映像にしかできない表現で、
切ない“青春映画”していた。

吉田大八監督作品は、
音楽が鈴木惣一朗ということだけで観た
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、
詐欺師の映画ということで『クヒオ大佐』、
どちらとも観た後の独特の感じが印象に残っていた、
というのもある。

中学まではバスケ部、高校で映画研究部だったこともあり
それぞれのキャラクターに思い入れできたw
ステロタイプとしての映画好き高校生が
『映画秘宝』を愛読していて、
ホラー、スプラッター、ゾンビ映画を作りたくて、
見に行く映画が『鉄男』というのはちょっと笑ってしまった。

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鍵泥棒のメソッド監督: 内田 けんじ

内田けんじ監督のPFFスカラシップ作品『運命じゃない人』が、
面白かったよなぁと思い『アフタースクール』は観ていないのだが、
今作品は、喜劇映画として、とても楽しかった(^^)

メインとなる3人のキャラクターの紹介パートからして
これは、“こういう虚構レベルですよ”と宣言がされて、嘘の世界に入っていける。

映画の虚構レベルをきちんと設定して見せてくれないと
いろいろと気になってしまうことが出て来て楽しめない作品も少なくないのだが
最初から最後まで、その“虚構レベル”が保たれていると
いらぬツッコミを入れる気にさえならずにその喜劇を堪能出来る。

喜劇映画、ということだと三谷作品は、舞台だと気にならないし、
ドラマ、映画にしても本人が脚本で別の監督であれば
その虚構世界は気にならないのだが、
本人監督作品となると、どう見ていいのかわからない、気分になってしまう。

その点『鍵泥棒のメソッド』は、
導入から展開、幕切れまで、どう作品をみればいいのかが
配慮されているように感じた。
『アフタースクール』見たくなったし、次回作も期待。

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『山下達郎シアターライブ PERFORMANCE 1984-2012


SD時代からのアップコンバート映像は、
職業柄、シャギーなどが気になってしょうがないところもあるのだが
見ているうちにカメラワークとか、カット割り等
気にならなくなって、曲を聴いていた。
昨年、幸運にも観ることができた2012のライブからの楽曲になり、
ライブで実際に聴いた同じ曲、同じMCで落涙…。
“シアターライブ”と銘打ったODSで、

映画ではないかもしれないが、映画館でないと楽しめない作品。
(DVD、ブルーレイといったパッケージ化はされないことが
 インフォメーションされていることもある、のかな。
 自宅にホームシアターなんて組めないし、大音量で聴くなんて出来ないし、 
 そもそもそれは家に持ち込まなくても、と思っている。)


ライブのDVDの少なからず見て来たが、
よほどのものでないと全部を通してみるのは1回限りで、
時々、引っ張り出して、気に入った曲だけを見る、という状況なので、
1回だけのために買う、というのは躊躇する。
(映画のDVD、ブルーレイも同じ理由で買っていない)
その点、映画館でしか見られないライブ映像というのは
作品として、訴求力があるし、今後の映像制作でも大きなヒントになった。

でも、タツローさんのライブは、やはり生で聴きたいなw

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